婚礼美容師が知っておきたい「羽織袴のマナー」

先日、文金高島田髪結いレッスンで、受講された美容師さんへお話したことがあります。

それは、羽織袴の羽織を巻き込んで座らないことを新郎様にお伝えしていますか?

「そんなことまで教えてもらったことはありません」、「初めて聞きました」。

そんな言葉が返ってきて、改めて、婚礼の現場で受け継がれてきた大切なことを伝えていく必要性を感じました。

礼装の羽織には、そのご家族が代々受け継いできた家紋が入っています。

家紋は、単なる模様ではありません。

その家の歴史やご先祖様から受け継がれてきた証であり、ご家族の誇りでもあります。

だからこそ、羽織をお尻の下に巻き込んで座ることは避けるべきだと、私は先代から教わりました。

婚礼美容師は、ヘアメイクや着付けの技術を身につけることはもちろん大切です。

しかし、それと同じように、礼装に込められた意味を理解し、衣裳を敬い、お客様やご家族の想いを大切に扱う心も欠かせないと私は考えています。

晴れの日のお支度は、着物を美しく着せることだけが仕事ではありません。

その一着に込められた想いを大切にしながら、お客様が安心して人生の節目を迎えられるようお支えすることも、私たち婚礼美容師の大切な役目です。

日本には、技術だけでは語り尽くせない礼装の文化や所作が数多くあります。

婚礼の仕事に携わる美容師は、ヘアセットや着付けの技術だけでなく、礼装に込められた意味や、美しい所作も理解していることが大切だと私は考えています。

神社結婚式

技術は練習を重ねることで身につきます。

しかし、礼装を大切に扱う心や、美しい所作は、人から人へ受け継がれていくものです。

時代が変わっていく中で婚礼業界も大きな変遷の時期を迎えていると感じています。

忘れてはいけないこと、伝承されていかなければならないこと、まだまだたくさんお伝えしたいことがあります。

これからも杠では、技術だけではなく、日本の礼装文化や晴れの日にふさわしい心遣いも大切にしながら、

新郎新婦様のお支度、そして美容師さんへのレッスンを続けてまいります。